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自己作成(セルフケアプラン)についてのQ&Aです。

問い合わせの多いものを中心にまとめてみました。

Q1 ケアプランって何?
介護保険を利用するときには、あらかじめ翌月に使うサービスを予約しておく必要があります。ケアプランはそのサービスの注文票です。ケアプランを立てるということは、いつ、どこで、どんなサービスを、どの事業所から、どのくらいの時間受けるかを考え、利用者とサービスを提供する事業者の間をコーディネートして、さらに利用料の管理を行うことです。
介護保険制度では、ケアプランの作成をやってくれる介護支援専門員(ケアマネジャー)という専門職を設けています。

Q2 ケアマネジャーに頼まなくてもいいの?
介護保険を利用しているほとんどの人は、ケアマネジャーに頼んでケアプランを作っています。でも、利用者や家族が立てることも可能です。2000年3月までは、高齢者福祉のすべてのサービスが税金でまかなわれていて、受けるサービスの内容も量も行政に決めてもらっていましたが、介護保険は保険料もサービス利用料も一部利用者が負担するというこれまでにない契約制度という仕組みで回っています。自己負担がある代わりに、自分でサービスを選ぶ自由とそれに伴う責任も私たちのものになったのです。 ですから、多少の知識と気力さえあれば自分で作っていいのです。

Q3 自己作成は大変じゃない?
大変な部分も当然あります。例えば、ケアマネジャーには入る情報が自己作成者にはなかなか届いてきませんし、介護保険以外の周辺サービスを個人で探し出すためには時間も手間もかかります。それに、書類を起こす事務作業や細かい点数計算など、面倒なこともあります。それでも「自分らしく生きたい」と願っているのであれば何とかなるものです。

Q4 ケアマネジャーにケアプラン作成をお願いしたら、作成料はどのくらい支払うの?
ケアマネジャーに依頼したからといって、利用者に金銭的な負担は一切ありません。ケアマネジャーへの報酬は、全額が介護保険の財源の中から介護支援事業者へ支払われます。

Q5 自己作成したらお金がもらえるの?
逆に自己作成の場合、報酬はまったくありません。

Q6 ケアマネジャーという専門職がいるのにどうして自分で立てるの?
自己作成をする人の動機にはいろいろあります。ある人は自分の生活くらい自分で考えたいから、ある人はケアマネジャーとのトラブルがきっかけ、またある人は長いこと介護をしているうちに知識が増えて、ケアマネジャーがいなくても大丈夫になったから。このようにさまざまなきっかけから自己作成を選ぶ人がいます。どんなきっかけにせよ、作るからにはきっちりとやりたいものです。金銭的な見返りはありませんが、それ以上に得るものは多いというのが経験者の感想です。

Q7 自己作成だと支払方法が変わるってことは?
そんなことはありません。ケアマネジャーが立てた場合と同じように、サービスを利用した月の終わりに利用料の1割をサービス事業所に支払います。

Q8 介護保険を使いたいとき、どうすればいいの?
まず、申請からです。申請する場所は市区町村の介護保険窓口です。そこまで足を運ぶのが困難なときは、近くの在宅介護支援センターや地域包括支援センターに連絡すれば、自宅まで相談員がきてくれて申請代行をしてくれます。在宅介護支援センターや地域包括支援センターの連絡先は、市区町村の高齢者福祉窓口あるいは介護保険担当窓口に問い合わせればわかります。申請者は高齢者本人ですが、書類を持っていくのは家族でも大丈夫です。

Q9 自己作成とケアマネに頼むのとどこが違うの?
自己作成の場合はサービス事業所と直接つながりますが、ケアマネジャーに依頼すると間に常にケアマネジャーを介することになります。

Q10 自己作成するには、まずどうしたらいいの?
まず市区町村に行って、「自己作成するので書類をください」と申し出ます。
1.市区町村に自己作成する旨届け出て、提出書類をもらう。
2.関係者や専門家と十分に相談・検討しながらケアプランを作成する。
3.サービス事業者を選んで直接依頼・契約。
4.ケアプランを書き込んだ書類を市区町村に確認してもらう。
5.サービス開始後じは事業者と密に連絡調整して意思疎通を図り、本人の意思に沿った生活がおくれるようにする

Q11 自己作成のメリットは?
2002年、2005年、2009年に自己作成者にアンケートを取ったところ、異口同音にあがったのが、介護保険や他の介護をめぐる制度がよくわかったということ。本を読んで理解するのと、実際にケアプランを立てる過程で理解するのでは、脳への染み込み方がまったく違います。その結果、事業者ともケアマネジャーとも、知識の格差が少なくなり、対等な立場で話をすることができるようになった、さらに、サービス事業者と直に交渉するので、予定の変更など迅速にできること、意思の疎通がうまくいくこと、本人の希望はもちろん家族の状態も考慮に入れた広い視野でのケアプランが立てられた、介護に対して前向きになった…などなどの感想があがっています

Q12 自己作成の難しい点は?
どんな事業者があるのかとか、サービスの情報など、情報を得ることが個人ではとても大変です。それに、まだ少数派ということもあって、自治体に戸惑われたり、快く受けてくれる事業者も多くはないのが現状です。プラン自体については、ともすれば、素人の思いこみプランになってしまって、状態の悪化を招く危険性もあります。それに、介護現場が閉じられた空間になってしまうことも。自己作成によって、介護現場がうまく回るように、笑顔が生まれるように、そんなプランにしたいものです。こんな困難をみんなで乗り越えようと、ネットワークを組んだのが、全国マイケアプラン・ネットワークです

Q13 ケアプランを自分で作るときの注意点は?
1.サービス提供事業所との接触を緊密に
軽度の場合や単純なケアプランの場合でも、訪問介護や、訪問看護、デイサービスなどのサービスを提供する事業所(社会福祉法人や企業、NPOなど) とはよく連絡を取り、ケアについての意見交換を積極的に進めましょう。
「ヘルパーのやり方」「考え方の行き違い」など、 サービスを受けているといろいろ問題が出てくるものです。普段から事業所とコミュニケーションがとれて いれば、こうした時に苦情や提案も言いやすいし、解決も早いものです。 もし、どうしても要望を受け入れてもら えなければ、事業所を変更するなど他の方法も考えられます。契約の当事者はあくまで利用者です。ケアマネージャーを 間にはさまずに、直接、事業者とパイプを作ることで、自分らしく生きるためのサービスを自らの手で 確保できることは自己作成のメリットのひとつです。
2.正攻法はケア会議。
重介護の場合やたくさんのサービスを利用している場合は、主治医や看護師、ヘルパー、ヘルパー事業所の管理者、作業療法士(OT)、理学療法士(PT)など、利用者にかかわるさまざまの専門家に集まってもらって、ケアの方法を話し合う場を持つのが理想です。特に要介護者度の判定が変わった時などには、こうした場でサービスの種類や量も再検討したいですね。 ケアマネジャーに依頼した場合、介護保険法では、ケアマネージャーが主宰する「サービス提供者会議」として位置付けられています。
自己作成の場合にはとりわけ、専門家の声を聞く姿勢が必要です。外部のアドバイスは大変ありがたいものです。

Q14 市区町村の対応は?
まだ、どこの自治体でも自己作成者は少数派なので、対応もまちまちです。でも、マニュアルをきちんと整備して応対してくれるところも増えてきています。自己作成をしたいと思ったら、まず自治体の窓口に行って、マニュアルがあるかどうか聞いてみてください。

Q15 自己作成していて困ったとき、どこに相談に行ったらいい?
地域包括支援センターの役割のひとつに、「自己作成の支援」が挙げられています。
地域包括支援センターは、地域の医療・介護・福祉に関する情報が集約するところですし、保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職がいますから、困った時には相談しましょう。その場で解決できなくても、調べてくれたり、繋げるところを教えてくれたり、なんらかの糸口は見つかるはずです。
もちろん、全国マイケアプラン・ネットワークまでご連絡くださっても結構です。

Q16 給付管理はどうなるの?
給付管理は前月の利用実績を国民健康保険団体連合会に報告する業務です。国保連でこの報告と事業者からの請求を付き合わせて、事業者に報酬が支払われます。ケアマネジャープランの時はケアマネジャーの仕事ですが、自己作成の場合はこの業務は自治体が行います。

Q17 予防給付の介護予防ケアプランは、地域包括支援センターが立てると言われていますが、予防給付の自己作成はできるのでしょうか?
もちろんです。予防給付でも自己作成ができることは、2005年8月の全国介護保険担当課長会議のQ&Aと2006年3月の全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議の資料の中に、きちんと明記されています。予防給付の対象者は、介護給付よりも軽度で自立度の高い人です。ケアプランを自分で立てることは、自立につながりますし、元気のもとにもなります。ケアプラン自己作成はそれ自体が介護予防の効果があることが分かっています。ぜひチャレンジしてください。




Q&Aの最終更新日 : 2017-08-10