厚生労働省にききました「自己作成(セルフケアプラン)の法的根拠を教えてください」
マイケアプランネットワーク事務局に寄せられる質問の中に、 「ケアプランを自己作成できる根拠を教えて欲しい」という内容のものが少なからずありますので、そのようなご要望にお応えするため、厚生労働省の担当官に内容を確認していただいたQ&Aを掲載することとしました。
- Q1 自己作成って何ですか。
- 介護保険サービスを利用する時に、居宅サービス計画の作成をケアマネジャーに依頼しないで、本人(実行上家族が成り代わる場合も含む。)が自ら作成した居宅サービス計画のことを「自己作成ケアプラン」、「セルフケアプラン」などと称しております。
- この自己作成したケアプランを事前に市町村に届け出て受理された場合は、サービス利用時に1割の利用者負担をして、残りの9割分を介護給付として市町村から直接事業者に支払われる、いわゆる現物給付方式でサービスを利用できる仕組みが設けられております。
- Q2 でも、ケアプランの作成は介護支援専門員(ケアマネジャー)だけに限定されているのではないですか。
- サービス利用時に1割の利用者負担をして、残りの9割分を介護給付として市町村から直接事業者に支払われる、いわゆる現物給付方式でサービスを利用するためには、次のいずれかの手続きが必要です。
- 1.指定居宅介護支援事業所のケアマネジャーに居宅サービス計画の作成を依頼する旨、事前に市町村に届け出ている場合。
- 2.要介護認定を受けた高齢者が自ら作成した居宅サービス計画を事前に市町村へ届け出て、受理された場合。
- したがって、必ずしもケアプラン(居宅サービス計画)の作成がケアマネジャーだけに限定されているわけではありません。
- Q3 そうは言っても、市役所に相談したら、介護保険法に規定がないので、自分で居宅サービス計画をつくっても現物給付の扱いはできないと言われました。それは間違いですか。
- それは間違いです。
- その市役所の担当者は、制度の理解が不十分なため自己作成ケアプランの仕組みを知らないのか、あるいは制度の仕組みは知っているけれども、本人が作成して届け出た居宅サービス計画の介護報酬コードや指定事業所番号などの記載内容をチェックして国民健康保険連合会に給付管理表を送付する事務処理が大変なので、そのような対応をしたのかのどちらかです。
- Q4 そうであれば、再度、市役所と話し合ってみたいので、根拠規定を明確に整理した資料はないですか。
- 1.居宅介護サービス費の支給に関しては、介護保険法第41条第6項に次のように規定されております。すなわち、「その他の厚生労働省令で定める場合」に該当すれば、現物給付が可能であるわけです。
- 「居宅要介護被保険者が指定居宅サービス事業者から指定居宅サービスを受けたとき(当該居宅要介護被保険者が第46条第4項の規定により指定居宅介護支援を受けることにつきつきあらかじめ市町村に届け出ている場合(注1)であって、当該指定居宅サービスが当該居宅支援の対象となっている場合その他の厚生労働省令で定める場合に限る。(注2))は、市町村は、・・・・居宅介護サービス費として当該居宅要介護被保険者に対し支給すべき額の限度において、居宅要介護被保険者に代わり、当該指定居宅サービス事業者に支払うことができる。
- 2.(注1)の「第46条第4項の規定により指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合」とは、すなわちケアマネジャーに心身の状況などの実態分析~課題設定~居宅サービス計画(ケアプラン)作成~サービス担当者会議~フォローアップという一連の手順による介護支援を指定居宅介護支援事業所に依頼することをあらかじめ市町村に届けている場合をいうものであります。
- 3.(注2)の「その他の厚生労働省令で定める場合」とは、介護保険法施行規則第64条の規定を指しており、その内容は以下のとおりであり、Q2の説明に記したとおりです。
- すなわち、自分で作成したケアプランであっても現物給付を可能とする根拠は、介護保険法第41条第6項に基づく介護保険法施行規則第64条第1号ニの規定ということになります。
- (参考)介護保険法施行規則(抄)
- 第64条 法第41条第6項 の厚生労働省令で定める場合は、次のとおりとする。
- 一 居宅要介護被保険者が指定居宅サービス(居宅療養管理指導及び特定施設入居者生活介護を除く。)を受ける場合であって、次のいずれかに該当するとき。
- イ 当該居宅要介護被保険者が法第46条第4項 の規定により指定居宅介護支援を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合であって、当該指定居宅サービスが当該指定居宅介護支援に係る居宅サービス計画の対象となっているとき。
- ロ 当該居宅要介護被保険者が基準該当居宅介護支援(法第47条第1項第1号 に規定する基準該当居宅介護支援をいう。以下同じ。)を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合であって、当該指定居宅サービスが当該基準該当居宅介護支援に係る居宅サービス計画の対象となっているとき。
- ハ 当該居宅要介護被保険者が小規模多機能型居宅介護を受けることにつきあらかじめ市町村に届け出ている場合であって、当該指定居宅サービスが指定地域密着型サービス基準第74条第1項 の規定により作成された居宅サービス計画の対象となっているとき。
- ニ 当該居宅要介護被保険者が当該指定居宅サービスを含む指定居宅サービスの利用に係る計画をあらかじめ市町村に届け出ているとき。
Q&Aの最終更新日 : 2017-08-10